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大型ディーゼル触媒部門
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基本用語集
BPT: (Balance Point Temperature, バランス・ポイント・温度)
自己再生式のDPFでは、一定時間間隔で温度を上げてゆくと初めはすす成分がたまる一方なので一般的に圧損の上昇が見られる。さらに温度を上げるとある温度から自己再生が始まり、圧損上昇が止まる温度が存在する。この温度をBPTと呼び、低温ほど車両への適応範囲が広いことになる。BPT以上の温度では一般に圧損は再生により減少する。
CARB: (California Air Resource Board, 米国カリフォルニア州大気資源局)
カリフォルニア州の大気環境関連の仕事に従事する部門。大気環境の法制化に関して非常に厳しい基準を設定する事で有名。
http://www.arb.ca.gov/homepage.htm
CDPF: (Catalyzed Diesel Particulate Filter, 触媒化DPF)
DPFシステムの一種で、触媒加工されたフィルター単独で構成されている後処理装置の一般名称として、DECSEプログラムで使用された。
CO: (Carbon Monoxide, 一酸化炭素)
非常に有害な排気ガス成分。中毒症状を起こす。
CO2 (Carbon Dioxide, 二酸化炭素)
地球温暖化に寄与していると言われている。
CR-DPF: (Continuously Regenerating Diesel Particulate Filter, 連続再生式DPF装置)
CRT®の一般名称として、DECSEプログラムで使用された。
CRT®: (Continuously Regenerating Trap または Continuously Regenerating Technology)
ジョンソン・マッセイが開発した新しい発想に基づくDPFシステム。ジョンソン・マッセイの登録商標および特許技術。本文参照。
CSF: (Catalyzed Soot Filter)
スート・フィルターに触媒加工を施したものの一般名称。
DECSE: (Diesel Emission Control - Sulfur Effect)
米国エネルギー省(DOE)が軽油中の硫黄濃度の各種排ガス対策技術に及ぼす影響を評価したプロジェクト。報告書はホームページで誰でも入手できる。
DOC: (Diesel Oxidation Catalyst, ディーゼル用酸化触媒)
ガソリン車に一般的に用いられる三元触媒(TWC)に対して用いられる名称。機能としては通常の酸化触媒に加え、SOF成分の酸化性能も求められる。
DOE: (U.S. Department Of Energy, 米国エネルギー省)
米国で化石燃料を含む全てのエネルギー問題を統括している部署。燃料の低硫黄化には精力的に取り組んでいる。
DPF: (Diesel Particulate Filter, ディーゼル・パティキュレート・フィルター)
各種フィルターを用いたパティキュレートの捕集装置。内部のスート・フィルターの構造としては、モノリスと呼ばれる蜂の巣構造の穴を交互に目詰めし、壁を濾過に使用するウォールスルー・フィルターがあり、素材としてはコーディライトあるいは窒化珪素(SiC)を用いたものが販売されている。その他のフィルター構造では、素材繊維を布状に織り込んだもの、短繊維をマット状にしたもの、泡構造(フォーム状)にしたものがあり、この場合の材料としてはセラミクスや金属が主に提案されている。
EPA: (U.S Environmental Protection Agency, 米国環境保護局)
http://www.epa.gov/
HC: (Hydrocarbon (s), 炭化水素)
エンジン排出ガス成分のうち有機系の化合物(HとCの化合物)の総称。
HDD: (Heavy Duty Diesel, 大型ディーゼル車)
これまで排気ガス規制が遅れ遅れになってきた大型ディーゼル車も欧米各国で見直しされてきており、これまでの規制の範囲のみならず、さらに細かなPMに対する検討も進められるようになったことから、CRT®が見直されてきている。
NOx: (Oxides Of Nitrogen, 窒素酸化物)
エンジン排出ガス成分のうち窒素酸化物は、N2O, NO, NO2, NO3等種々の形態で排出されているが、これらの総称をNOxという。
Partial Filter: (パーシャル・フィルター)
PM捕集率をウォールスルー・フィルターより低く抑えたフィルターで、一般には金属メッシュ、マット、フォームなどが使用されている。捕集されたPMによるフィルターの目詰まりを抑制して、PMの異常再生によるフィルターの不具合防止を狙う。
PCRT®: (Partial (Filter) CRT®, パーシャル・(フィルター)・シー・アール・ティー)
ジョンソン・マッセイのCRT®システムの内、DPF部をパーシャル・フィルターに置き換えたもの。本文参照。
PM: (Particulate Matter, パティキュレート・マター)
適当な日本語訳が見あたらずこのまま呼ばれている。特にディーゼルエンジンから排出され、パティキュレートには、すす(カーボンスート)、燃料の燃え残り(SOF)やエンジンオイルの燃え滓(オイルアッシュ)などの総称。各国では、総重量(g/km 又はg/kW)での排出量だけでなく、PM2.5など、特に径の小さな(2.5ミクロン以下)PM粒子の個数を問題とする動きが出てきた。
P-NLT規制: (Post New Long Term, ポスト新長期規制)
日本の環境省で導入作業が進められている、現行規制(新長期規制)の次期規制の通称。2009年の施行目標。本規制により、ディーゼル自動車の排ガスレベルはガソリン自動車と同レベルになるとしている。JP09規制とも呼ばれている。
Regeneration: (再生)
フィルターに捕集されたすすを燃焼処理して、フィルターからすすを取除く工程を言う。再生方式には電気加熱、バーナー燃焼、燃料添加などの能動的(Active)再生方式と、CRT®のような自己再生方式(Self-regenerating system 又は、受動的(Passive)再生方式とも呼ぶ)が提案されている。
SCR: (Selective catalytic reduction, 選択式触媒還元)
特にディーゼル排気ガスの後処理装置としてNOxを還元し、窒素と水に還元するシステム。酸化雰囲気中で還元しなければならないために、アンモニアあるいは尿素(ユリア)等の還元剤の投入が必要である。
SCRT®:(Selective catalytic reduction Technology)
ジョンソン・マッセイの登録商標、ディーゼル排ガスの最終的な処理装置として考えられているシステムで、本文で紹介したCRT®の後段に前記SCRとを組み合わせることで最後に残ったNOxについても浄化する装置。本文参照。
SO2: (sulfur dioxide, 二酸化硫黄)
燃料中の硫黄がエンジンで燃焼するとほとんどがこの形態になって大気中に放出されると言われている。この状態では常温でも気体であるため、PMには含まれていない。但し、大気中ではいずれ硫酸雨の原因物質となる。
SO4: (sulfate, サルフェート)
上記の二酸化硫黄は、排ガス処理装置として触媒を搭載するとサルフェートに変化する。このサルフェートは、水分の存在で硫酸となり、酸性雨の原因と言われている。この為、北欧では早くから硫黄濃度を下げてきた。又、サルフェートに変化すると全てがPMとして規制対象となる。
Soot: (スート、すす)
炭素(C)を主成分とするエンジン排出物質。PMの中でも特に燃焼が難しいと言われていた固体物質。
SOF: (Soluble Organic Fraction, 可溶性有機成分)
PMに含まれる各種成分の内、ベンゼン、トルエンなどの有機溶剤に溶ける成分を特に呼ぶ。これらは高温では蒸気であり、酸化触媒表面で充分に燃焼させることが出来る。但し、温度が下がるとすす成分に付着してすすを太らせる効果がある。燃料やオイルの燃え残りが原因である。
SPM: (Suspended Particulate Matter, 浮遊粒子状物質)
PMの内、10ミクロン以下のものを呼ぶ。この大きさでは、簡単に空気中に浮遊し、健康に直接的な被害をもたらす可能性が指摘されてきた。
Urea: ((NH2)2CO, ユリア、尿素)
無色無臭の有機化合物で、従来から化粧品や肥料等に使用されている。加水分解によりアンモニアになる。アンモニアは、NOxを還元処理する際の還元剤となる。車載のSCRに使用される場合、通常32.5%の尿素水溶液として車両に給される。現在、AdBlue(アド・ブルー)と言う商品名の尿素水溶液が市場に供給されている。
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